クロス円とドルストレート
クロス円とは、FX(外国為替証拠金取引) における通貨ペアの内、アメリカドルを含まない通貨と日本円との通貨ペアのことを指します。
一方、日本円とアメリカドルとの通貨ペアはドルストレート、あるいは「ドル円」と呼ばれています。
どうして、このように「日本円とアメリカドル以外の通貨」とのペアを「クロス円」と呼び、日本円とアメリカドルとの通貨ペアだけを「ドルストレート」と呼ぶのでしょう?
これは、実は「アメリカドル」が現在の世界の「基軸通貨」であるからです。
( 「基軸通貨」とは、簡単にいうと現在の世界で最も通用する通貨(世界通貨)という意味です。)
そのため、アメリカドル以外の通貨と円を取引する際には、円とそれ以外の通貨とを直接、交換することはできません。まずアメリカドルを円で購入してから、アメリカドルでその通貨を購入するという順番を踏まなくてはならないのです。
(円とアメリカドルとのやり取りは、このアメリカドルの仲介がないため「ドルストレート」と呼ばれているのです。)
例えば、ユーロと円のレート(交換比率)は、ユーロとアメリカドルのレートと、アメリカドルと円とのレートを掛け合せたものになっています。
ユーロ/アメリカドルのレートが1ユーロ=1.48ドルだとします。
そのとき、アメリカドルと円のレートが1ドル=108円だとすれば、
ユーロと円のレートは、1ユーロと交換するのに必要なドルが1.48ドルですから、1.48ドルを円で買わなければなりません。そのため、108×1.48=159.84円があれば、1ユーロが買えるということになります。
まり、ユーロと円のレートは、159.84円になるわけです。
このように、アメリカドル以外の通貨と日本円の通貨ペアは、レート(交換比率)をだすためにアメリカドルをクロスさせなければならないため、クロス円と呼ばれているのです。
また、クロス円は、必ずアメリカドルを仲介するため「円高ドル安」といった、アメリカドル/円レートの急激な変動の際には、クロス円通貨全般もそれ以上の変動幅となるケースが多くみられます。
そのため、アメリカドル/円のレートは、為替情報の中でも最も重要とされているのです。
FXを始められる方は、まずは手に入れられる情報が多いドル円の通貨ペアから行うことが多いようです。